2014年11月5日水曜日

思い出の味

吐き気は無くなったものの、今だ稀なツワリの症状で苦しめられている今。

身体に障害を持った人や病気の人、
自分の身に起こった事を受け入れて、
日々の生活を前向きに生きている人って本当にスゴイって思います。

私は、この単なるツワリの症状で人と会う事を躊躇しています。


そんな状況でふと思い出したのは・・・私の叔母。
もう亡くなってしまったけれど、彼女は私が物心ついた時から下半身不随でした。

5畳くらいの小さな部屋にベッドを置き、主にそのベッドの上で生活し、
長い棒を持って、
「この棒で身の回りの物が全て取れるから便利なの」と笑っていました。

江戸っ子気質で口が悪く、とても早口で、
でも、とても心が綺麗で前向きな人。
手先も器用で、電話口で母が「こんなものを作ってほしい」と頼むと、
ミシンを使って完璧に縫い上げて送ってくれました。

私と母が訪れた時に作ってくれた「ロールキャベツ」が今でも忘れられないくらい美味しくて・・・
今になって下半身の不自由な彼女がどれだけ大変な思いでその料理を作ったのかと思うと、
彼女のそのおもてなしの心が改めて嬉しく思いました。

「あのロールキャベツにはホタテが入ってたから美味しいのよ」と母が言っていたのを頼りに、
私も作ってみたくなりました。


初めてロールキャベツを作りましたが、
案外手間がかかるものです。

懐かしいあの時の味・・・には、なりませんでした。

近づく事もできませんでした。


ホタテはやっぱり、ホタテ缶を使用すべきだったかな。
あのホタテ汁の風味を活かした方がよかったかな。


「あんたね、小さな事は気にしないで色々やってみなさいよ!」

と、例のあの怒ったような口調で、

この先必ず終わるであろうツワリで悩む私と、
ホタテがどーのこーのとつぶやく私に喝を入れてくれている叔母の声が浮かぶのでした。




























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