2014年10月23日木曜日

ゼロでも手元に残るもの

数か月空きました。
やっと、「書いておきたい」と思えるようになりました。
心に残った事は消えないはずですが、それでも書き留めておきたくて書いています。


第2子を妊娠してからほどなく、ヒドイツワリになり、
吐き気のみならず、長引きそうな症状も併発し、今回ばかりは仕事を全て手放しました。

“長引きそうな症状”というのが、、、
講師にとって致命的な症状で、人に会う事を躊躇するような症状。
な~んで、よりによってこんな症状を患うのか。ホント、神様っていじわるです。


妊娠をした際、「仕事はキッパリやめよう」と考えていました。
それは、第1子の時のツワリが酷く、電車に乗って降りては吐くという惨状でしたし、
講義をしていても顔を上げるのがツライ程気持ち悪く、
お客様に対して全くいいサービスが提供できず、罪悪感でいっぱいだったから。

仕事を辞めるからには、
「辞める事についてのトラブルには自分で責任をしっかりもつ。
辞めた事について愚痴を言わない」
と決めていました。

しかし、思ったほどラクではありませんでした。

オファーをいただいていた仕事を断ること、
今引き受けている仕事を辞めること、
その度に心が暗くなり、不安になり、悩みました。

一番躊躇したのは、
今まで仲介無しで、
私のもとでレッスンをしてくださったお客様に「レッスン中断」を申し出る事。

1カ月、また1カ月・・・
延期をさせてもらっていましたが、、、
どうしても症状が良くならず、辞めさせていただく決意をしました。

今まで“味方”だと思っていた人も、予期しない事態となるとその反対となる事も、
よく分かっていました。仕方のないことです。

だからこそ、「仕事を辞める」って案外難しい。「責任放棄」みたいで。

自営業をしている友人に相談もしました。
彼女もまた、引っ越しなどで仕事を途中で中断した一人です。
彼女もまた辞める時の苦労を味わっていました。

どう辞める事を切り出せばいいのか。
誠意ある対応とはどんなものか。
納得のいく説明ができるのか。
不快な思いをさせないような口調とは。

色んな事を考えましたが、
きっと信頼とかって言うものは、その時だけで築かれるものではなく、
私が“今まで”築いたものであり、その時だけでジャッジされるものもなく、
私ができる事は“誠意をもって謝辞する事と感謝すること”だと思って、
お客様に電話を掛けました。

すると・・・

思いがけない言葉の数々でした。
電話口で思わず泣きそうになりました。温かい言葉ばかりでした。
いつまででも待っていると言ってくださいました。


私は今、無職です。
そんな状態がとてつもなく自分に不似合で、
自分が色褪せて感じます。

手帳に書き込む事もなく真っ白で、
何かに追われている事もなく、
今しなければいけない事なんてありません。

手に何かを掴んでいると思っていましたが、
力強く握っていないと簡単にこぼれ落ちてしまって、
ちょっと力を緩めたら全部なくなってしまっていた、そんな感覚です。

つまりは、私が掴んでいるモノは“ゼロ”という事。

軽い絶望や不安、焦りを感じていますが、
その暖かい言葉の数々で、久しぶりに救われました。

1つ1つの仕事をきちんとこなせば、
残るものは必ずあるのだと教えてくれた気がします。

今までの私に感謝しなくては。
自分が自分を救ってくれた、そんな気もします。

「大丈夫、またきっと真っすぐに進める時期がくる。」
そう信じたいです。